今回も前回と引き続き、頭・首のツボ②について紹介したいと思います(^-^)
⑤がんえん
「がん」は、おとがい・下あごのことを指しています。「えん」は、疲れる・憎む・おす・しずむなどの意味があります。
下顎を押し上げ、歯を噛むようにすると筋肉が動くところ、すなわちこめかみのことを指しているのです。
漢字のもつ意味が、そのままツボ名になっているというわけです。
<ツボの見分け方>
髪の生え際の額の角から、耳の上にむかって線を引きます。その線上で、歯をぐっと髪合わせたとき、頭の両側の筋が隆起するところからわずかに下にあります。俗に言う、こめかみががんえんです。
<施術の効果>
目の疾患やめまい、片頭痛などにとても効果があります。とくに後頭部の痛みをやわらげます。
また、耳鳴りや子どもひきつけなどの施術にも用いられるほか、顔面のまひやこわばり、三叉神経痛、手・腕の痛みによく効きます。
⑥完骨
完骨の「完」は、家のまわりにめぐる垣根をあらわし、垣根に欠けたところがないところから、まっとうするという意味をあらわします。そこから、「完骨とは耳後の高骨をいう」とされるように、耳の後ろの垣根のような骨<乳様突起>を指すツボ名だということがわかります。
<ツボの見つけ方>
耳の後ろの出っ張っている骨、乳様突起の下の端の後ろ側のくぼみの中にあります。この部分を指で強く押すと、頭の両側にひびくように痛みます。
<施術の効果>
完骨はさまざまな症状に広く効果がありますが、とくに片頭痛、めまい、脳充血、顔面の神経まひ、不眠症などの症状によく効きます。
たちくらみをともなう頭痛・頭重の施術のほかに、頭や顔のむくみ、歯肉炎、耳の疾患の施術にも使うツボです。
口のゆがみ、首やうなじの痛み、動悸や息切れ、のどがつかまえていたいといった症状がみられるときに、この完骨を刺激するとたいへん楽になります。
⑦きょう陰
「きょう」は骨にあいている穴のことで、「陰」は少陰腎経という東洋医学の用語をしめしています。つまり、陰をうかがう穴というのがきょう陰の意味です。
きょう陰と呼ばれるツボは、足にもあります。親指から数えて4番目の指の端が足のきょう陰です。
耳の後ろの髪の生え際を少し入り、動脈が指に触れるところを目安にするとよいでしょう。強く押すと痛みが感じられます。
<施術の効果>
頭・目の痛み全般によく効きます。頭の痛みからくるめまい、立ちくらみが起こったときは、このツボを軽く押さえると症状がやわらぎます。
そのほかにも、こむら返り、うなじの痛みからくる耳の疾患、耳鳴り、下からの出血にも効果があります。
そのほかにも、こむら返り、うなじの痛みからくる耳の疾患、耳鳴り、下からの出血にも効果があります。
耳の疾患への施術効果は昔から知られており、中国では耳の不自由なこどもの施術にきょう陰が使われていました。また、このツボは、疲れや血圧の症状など中年以降の人に特有の全身症状にも効果があります。気分がすぐれない、疲れやすい、耳がきこえにくいといったときに、このツボを指圧すると症状がやわらぎます。
⑧耳門
耳の門と書くとおり、東洋医学では、耳門は耳の病気の原因となる邪気が出入りする門にあたるところです。耳の疾患全般によく効くということをこのツボ名はあらわしています。
<ツボの見つけ方>
耳の穴のすぐ前に、耳珠という小さな出っ張りがあります。その耳珠のすぐ前でやや斜め上に耳門があります。
そのあたりを指でふれると、頬骨の下にあごの関節があるのがわかります。
<施術の効果>
耳の疾患全般にすぐれた効果があります。たとえば、耳鳴り、難聴、中耳炎、外耳炎などによく効きます。そのほか、顔面の神経まひ、三叉神経痛などの施術にも用いられます。また、歯の疾患<痛み>にも効きます。
⑨聴宮
「聴」は、文字通り、きく・しっかりきくという意味です。「宮」は、みや・御家で、生活の中心となる家の尊称です。つまり、ものをしっかりときく場所の中心部であるというのがツボ名の由来です。
<ツボの見つけ方>
耳の前にある小さなやわらかい突起を耳珠といいます。耳珠の真ん中にはくぼんだところがありますが、その少し前をぐっと押さえると、さらに少し前をぐっと押さえると、さらに少しくぼみます。そこが聴宮です。口を開けるとちょうどこのツボがくぼむので、みつけにくいときは口を開けたり閉じたりすると探しやすいでしょう。
<施術の効果>
耳鳴り、難聴の特効ツボです。とくに、せみが鳴くようなジ―っという音や、キーンという金属音のような耳鳴りをおさえるのに効果があります。そのほか、耳の病気全般、顔の筋肉の病気からくる頭痛・頭重、めまい、視力の減退、記憶力の減退にもすぐれた効果があります。
耳珠の前には聴宮のほかに耳門というツボがありますが、この二つのツボは耳の疾患ンの施術にかかせない大切なツボです。