今回は血色素について紹介したいと思います(^◇^)
○血色素とは
赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たしています。赤血球が酸素を運べるのは、ヘムの主成分である「ヘム鉄」が酸素と結びつくからで、血液が酸素を運ぶ力は血色素(ヘモグロビン)の量と比例します。
○この検査でわかること
血液中の血色素濃度を調べることによって、鉄欠乏性貧血などの有無がわかります。
○基準値の範囲
男性と女性で異なります。成人男性は13.9~16.1g/dL、成人女性h12.0~14.5g/dLが基準範囲です。高齢者では、やや下回る場合もあります。
○要注意と危険な数値
基準範囲の下限値より低い場合は貧血と診断され、上限値より高い場合は、真性多血症、赤血球増加症が疑われます。
○精密検査が必要な場合
基準範囲下限値を大きく下回った場合は、どのような血液疾患か、または出血している部位、出血原因を調べる必要があります。
○ドクターズアドバイス
赤血球数が基準範囲内であっても血色素が少ない場合は、鉄欠乏性貧血をまず考えます。貧血の8割は鉄欠乏性貧血で、とりわけ閉経前の女性にはよく見られる病気です。
赤血球のヘムたんぱく質が酸素を細胞に運ぶ量が減るので、疲れやすくなります。
今回は鉄欠乏性貧血を紹介したいと思います(^v^)
○食生活に気を配り、鉄を含む食品を積極的に
鉄欠乏性貧血は、胃切除後や、子宮筋腫などでも起きますが、偏食や過激なダイエット、粗食による栄養不良なども原因となります。
○レバーや肉、魚から吸収のよいヘム鉄をとる
食品中の鉄には、肉や魚など動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜や海藻などに含まれる非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は15~25%が吸収されますが、非ヘム鉄の吸収率は2~5%程度です。鉄を十分補うには、植物性食品だけに頼らず動物性食品を中心にしましょう。
成人の鉄所要量は1日あたり男性で10mg、女性で10~12mgですが、鉄欠乏性貧血と診断された場合は、それ以上の摂取が必要です。
○食べ合わせで鉄の吸収を高める
体内での鉄の吸収は、組み合わせた食品の栄養素によって変わります。一度にたくさん食べられない人や苦手な食品がある人は、食べ合わせで鉄を効率よくとりましょう。
●ビタミンCが鉄の吸収を助ける
レバーの唐揚げにレモン果汁をかけたり、魚料理には大根料理を添える。
●たんぱく質と組み合わせる
非ヘム鉄を含む緑黄色野菜や海藻には、肉類や魚介を組み合わせる。
なお、血色素が基準下限値よりも低い場合は食事療法で改善するのは不可能なので、サプリメントの鉄、あるいは医療用の鉄剤内服施術が必要になります。