今回も引き続き、消化管の診断につかわれる用語の意味を紹介したいと思います(^-^)
○逆流性食道炎
胃液の食道へ逆流により、食道粘膜が傷害された状態です。内視鏡検査により、次の6つに分類されます。
①内視鏡的に変化を認めないもの
②長径が5mmを超えない粘膜障害のあるもの
③色調変化型
④少なくとも1か所の粘膜障害の長径が5mm以上あり、それぞれ別の粘膜ひだ上に存在する粘膜障害がお互いに連続していないもの
⑤少なくとも1か所の粘膜障害は2条以上の粘膜ひだに連続してひろがっているが、全周の3/4を超えないもの
⑥全周の3/4以上にわたる粘膜障害
○食道アカラシア
食道と胃の接合部の筋肉の過度の収縮状態をいいます。筋肉の異常ですので、改善は見られません。内視鏡では診断がつかないことも多いのですが、上部消化器X線検査で診断が可能です。通過障害がひどくなると、食べ物が飲み込みにくくなる、吐いてしまうといった症状が徐々に悪化します。一回の食事の量は少なめにし、時間をかけて食べてください。内服薬で症状を改善させる方法や、内視鏡的に狭い部分を拡張させる方法がありますが、一時的なことが多いので手術を行うことが多いです。
○食道炎
カビ、薬剤、胃液の逆流などにより、食道粘膜が赤くただれた病変です。
○食道外腫瘍
食道壁周囲の気管支などの臓器より発生した腫瘍です。
○食道拡張
通過障害により、その口側が拡張することです。通過障害がひどくなると食べ物を飲み込みにくくなる、吐いてしまうという症状が徐々に悪化します。通過障害の原因が、がんであることもありますので、内視鏡検査が必要となることがあります。外部からの圧排であれば、それを確認するためにCTなどの追加検査が必要です。
○食道憩室
食道の壁が部分的に外側へ袋状に突出したものです。
○食道腫瘍
食道の一部が増殖し、内部に突出、もしくは変形している状態です。通過障害があると、吐き気、嘔吐や食べ物が飲み込みにくいなどの症状が現れます。内視鏡検査で腫瘍の状態や、良性か悪性かを検索する必要があります。