今回はコレステロールと中性脂肪の働きについて紹介したいと思います(^-^)
コレステロールと中性脂肪は、ともに脂肪成分で、健康の大敵のように思われていますが、本来、私たちの体に欠かせない物質です。
○コレステロールは重要な役割を果たしている
コレステロールは、私たちの体を構成する細胞の膜の成分として欠かせないものです。また、副腎皮質ホルモンや性ホルモンの合成にかかわったり、脂肪分解酵素である胆汁酸の原料になるなど、コレステロールはきわめて重要で多彩な役割を果たしています。
コレステロールは、主として肝臓でつくられているほか、食品からも1日に300~500mg程度を摂取しています。体の中には100~150gほどのコレステロールが存在し、そのうちの約10%が血液中を流れています。
○中性脂肪は貯蔵用のエネルギー源
私たちは、食品から糖質や脂肪を摂取して、それをエネルギー源として活動しています。
食べ過ぎや少ない身体活動などが原因で消費されなかった余分な糖質は、肝臓で代謝されて中性脂肪となり、最終的に肝臓や脂肪細胞に貯蔵されることになります。とくに、腸の周りにたまる脂肪は内蔵脂肪と呼ばれ、ウエスト径を大きくさせます。
中性脂肪のうち、皮下の脂肪細胞に貯蔵されているものを「皮下脂肪」と呼んでいます。
皮下脂肪は、断熱材の役割も果たしています。
○脂質の運搬役「リポたんぱく」とは?
コレステロールも中性脂肪も、血液中に入って全身に運ばれますが、油の仲間ですから、そのままでは水に溶けません。そこで、親水性のリン脂質やたんぱく質の一種であるアポたんぱくに包まれて、血液に溶け込みます。これを「リポたんぱく」といいます。
リポたんぱくは、その大きさや比重によっていくつかの種類に分けられ、それぞれ性格も異なっています。
リポたんぱくのうち、LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」、HDLコレステロールは「悪玉コレステロール」といわれています。LDLが血液中に増えすぎると血管に障害を起こすので「悪玉」HDLは増えすぎたLDLを回収するので「悪玉」というわけです。
今回はLDLコレステロールについて紹介したいと思います(^◇^)
○LDLコレステロールとは
コレステロールを多く含むリボたんぱくで、肝臓で合成され、体のすみずみにコレステロールを運んでいます。
○この検査でわかること
基準範囲より高い場合は動脈硬化の進行が考えられ、心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳血栓などの脳血管疾患の発症の可能性を示します。
○基準値の範囲
基準範囲は60~119mg/dLです。ただし、冠動脈疾患を起こした人の場合は、その範囲内でも施術対象になることがあります。
○要注意と危険な数値
低値の場合は、血管がもろくなり、脳出血などを起こしやすくなります。高値の場合、高血圧や糖尿病などの動脈硬化危険因子を抱えている人は、施術を受けることが求められます。
とくに、LDLコレステロール値が1800mg/dL以上なら、すみやかに施術を受ける必要があります。
○ドクターズアドバイス
2008年度から開始された特定健診では、LDLコレステロールが採用されました。予防医療の観点から、基準範囲の上限は119mg/dL以下と低めに設定されています。遺伝や食生活との関係が強く、女性では更年期以降で上昇します。
今回は中性脂肪について紹介したいと思います(^◇^)
○中性脂肪とは
体内の脂肪の中でもっとも多く、その大半はエネルギー源として糖質が貯蔵用に変化したもので、トリグリセリドとも呼ばれます。
○この検査でわかること
数値が高いと、コレステロールの場合と同様に、動脈硬化を促進します。
また、高中性脂肪血症の原因として大きな比重を占める過食、過飲、肥満、運動不足などは、ほかの生活習慣病の引き金にもなるため、それらの病気の発見と診断にもかかわります。
○基準値の範囲
30~149mg/dLを基準範囲とします。
○要注意と危険な数値
血中の中性脂肪値が高くなると、HDLコレステロール値が低くなるという相反関係を示すことがよくあります。
また、1000mg/dL以上になると、急性膵炎を発症しやすくなります。
○精密検査が必要な場合
400mg/dL以上になると、精密検査と積極的な施術が必要です。
○ドクターズアドバイス
中性脂肪はつきやすい場所が人によって違い、皮下脂肪型と内臓脂肪型に分けられます。内臓脂肪型は男性に多く、脂質異常症や糖尿病、高血圧をともないやすいため、要注意です。内臓脂肪型の肥満はおなかが重点的に太るのに対して、皮下脂肪型肥満は太もも中心になります。