今回は上部消化管X線バリウム検査を紹介したいと思います(*^_^*)
○上部消化管X線バリウム検査とは
造影剤のバリウム駅を口から飲んで、食道から胃、十二指腸までをX線写真で映し出す検査です。バリウム液と発泡剤を飲んだ後、X線モニターに消化管の形や内腔を映し出します。
○この検査でわかること
胃や食道、十二指腸の表面にバリウム液が薄く付着することにより、X線写真で表面の凹凸の変化が白黒の濃淡となって映ります。これにより、食道、胃、十二指腸のポリープ、潰瘍やがんなどが発見できます。
○異常はこんな形で現れる
正常な場合は全体が均一に白い映像として描かれます。粘膜面に凹凸があるとバリウムの「抜け」や「たまり」として現われ、潰瘍は「くぼみ」として現われます。がんは「くぼみ」や「盛り上がった画像」として映ります。
○精密検査が必要な場合
検査で上部消化管内視鏡検査を行います。
○ドクターアドバイス
検査当日は胃を空にしておく必要があり、原則的には、前日の夜9時以降は飲食を避けます。検査終了後、下剤を服用し、水分を多くとって、バリウムが腸に残らないようにします。
バリウムは検査後1~2日以内に白い便となります。
今回は消化管の働きについ書きたいと思います!
口から入った食べ物は、食道から胃に入り、十二指腸へ送られます。ここまでを上部消化管といいます。
食道は食べ物を胃に送り込む搬送路
食道は、口で噛んで唾液と混じりあった食べ物を蠕動運動で胃に送ります。成人では約25cmの長さがあり、入口には「生理的狭窄部」があって、食べたものが気管に入らない構造になっています。
胃は食べ物をカクハンし、胃液によって消化を始める
胃は腹腔の左上にあり、食道とは噴門部でつながり、幽門部で十二指腸につながっています。空腹時には収縮して小さくなりますが、食べ物が入ると大きくなり、成人では約1.5リットルの食べ物が入ります。
胃の粘膜には無数のひだがあり、その表面にある胃線から胃液が分泌されます。
胃液は強い酸性の消化液で、ペプシンという酵素と遊離塩酸を含んでいます。胃は食べ物を波のような蠕動運動でカクハンしながら3~4時間かけて消化し、かゆ状にして十二指腸に送ります。なお、胃はアルコールや炭酸以外のものはほとんど吸収しません。
十二指腸は食べ物に膵液と胆汁を注いでさらに消化する
十二指腸はその名の通り指を十二本並べた長さ(お25cm)で、太さは4~6cmほどです。胃とは幽門部でつながり、幽門括約筋によって胃への逆流を防いでいます。
十二指腸は、十二指腸乳頭から出る消化管液を食べ物に注いで消化します。十二指腸乳頭には、膵臓からの膵管と、胆のうからの胆管がつながっていて、各種酵素を含む強力な消化液の「膵液」と、その消化活動を助ける「胆汁」が排出されます。
十二指腸腸内で三大栄養素はおおまかに分解される
すいえきに大きく分けて次の3種類の消化酵素が含まれています。
①「トリプシン」によってたんぱく質はポリペプチドに分解されます。
②「リパーゼ」は、胆汁によって乳化された脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解します。
③「膵アミラーゼ」がでんぷんを麦芽糖に、さらにブドウ糖に分解します。
また、胃で酸化された食べ物は、膵液の重炭酸ナトリウムによって、十二指腸の中で弱アルカリ性になります。
【上部消化管の主な病気】
○逆流性食道炎・・・・・胃酸の逆流によって、食道粘膜が浸食されるために起こります。
○胃潰瘍・・・・・胃粘膜に起こる限局性の組織欠損をいいます。多くは、ピロリ菌が原因です。
○胃ポリープ・・・・・胃粘膜にできる限局性隆起病変です。
○胃炎・・・・・胃粘膜の炎症をいいます。ストレスやピロリ菌などが関与します。
○胃下垂・・・・・胃が骨盤より下に下がった状態をいいます。病的なものでありませんが、胃もたれ感が生じます。
○十二指腸炎・・・・・十二指腸粘膜に起きた炎症をいいます。ストレスやピロリ菌などが関与します。
○十二指腸潰瘍・・・・・十二指粘膜に起こる限局性の組織欠損をいいます。
○十二指腸ポリープ・・・・・十二指腸粘膜に隆起ができる病気です。