今回はSTDについて紹介したいと思います(^◇^)
○STDとは
「性行為感染症」の略称です。性行為やその類以行為によって感染する病気全体を指します。病原となる微生物の種類は多岐にわたるため、疾患の種類も数多くあります。
また、一つのSTDに感染すると、同時に別のSTDに感染するというケースも多くなりました。
近年、パートナーを特定しないフリーセックスの風潮が高まり、その影響でSTDは増加傾向にあり、病状も多様化しています。
○検査でわかること
STDには多くの種類があるので、ここでは梅毒の感染を調べる検査について触れておきます。
STDの代表的な疾患の一つである梅毒の病原菌は、トレポネーマ・パリダムという細菌です。
この細菌に感染すると血清中に抗体ができるため、その抗体をキャッチすることで感染の有無を調べるのが、TPHAと呼ばれる方法です。
感染すると、リン脂質の一種のカルジオリピンが組織からでてくるので、それが抗原となって生じる抗体をキャッチするSTSという方法もあります。STSにはガラス板法、ラテックス擬集法、RPR法などがあります。
TPHAとSTSにはそれぞれ一長一短があります。そのために、通常は両方の検査を同時に実施して、検査結果を確認します。
これらの検査法には、定性法と定量法があります。通常は、初めに定性法で行ない、結果が陽性と出た場合に定量法を実施します。
○検査結果の判定
TPHA、STSともに陰性であれば、梅毒に感染していないことがわかります。ただし、感染直後はどちらの検査にも反応しないこがあります。
それは、感染してから陽性反応がでるまでに、TPHAでは4~6週間、STSでは2~4週間かかるからです。不安がある場合は、1カ月ほどしてから再検査を行ない、確認します。
ただし、STSでは梅毒以外の原因で陽性になることもあります。主にウイルス感染、慢性肝疾患、膠原病などによるもので、この場合は「生物学的偽陽性」といいます。
TPHAの場合は、一度陽性になると梅毒が治癒してもそのまま陽性を示し続けますが、STSのほうは施術がおわれば陰性に戻ります。したがって、施術効果の判断はSTSで行ないます。
○HIVウイルスによる後天正免疫不全症候群は、日本でも増加しています。
HIVに対する抗体は、通常1~3カ月かかってできてきますから、検査はその期間を見てから行ないます。1回目の検査で陽性と判定された場合は、確認検査を受けることが必要です。