今回は、総・直接ビリルビンについて紹介したいと思います(^-^)
○総・直接ビリルビンとは
ビリルビンは胆汁色素の成分です。これは、肝臓で処理される前の間接ビリルビンと、処理された後の直接ビリルビンの2つに分類されており、両者を合わせて総ビリルビンと呼んでいます。
TBは「総ビリルビン」のDBは「直接ビリルビン」の省略です。
○この検査でわかること
肝機能に異常が生じると、血液中の数値が上昇します。TB値が上昇している場合は、それが主として直接・間接のどちらのビリルビンの上昇に由来するかをDB値を調べることによって確認し、診断の手掛かりとします。
直接ビリルビンの増加は肝細胞障害、肝内胆汁うっ帯、胆道閉塞の存在が考えられます。
○基準値の範囲
TB値は0.2~1.3mg/dL,DB値は0.0~0.3mg/dLが基準範囲です。検査施設によって多少異なります。
○ドクターズアドバイス
本来は十二指腸に流れていくはずの胆汁が肝臓の障害によって停滞し、その成分であるビリルビンが肝臓内で血液に逆戻りしてしまうと、総ビリルビンは上昇します。とくに、3.0mg/dL以上になると皮膚が黄色くなる「黄疸」が生じます。
大便の色はこのビリルビンのよって着色されます。
今回は、AST(GOT)・ALT(GPT)について紹介したいと思います(●^o^●)
○AST・ALTとは
従来はGOT・GPTと呼んでいた検査名を、最近はそれぞれ、AST.ALTと呼び替えるようになりました。
ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略称です。
○この検査でわかること
AST・ALTともに、臓器や組織に障害が発生すると血液中に増加してきます。
ASTは肝臓、心臓、筋肉の障害に反応を顕著に現わすため、2つを同時に調べて比較検討すれば、障害が起きた臓器の診断に役立ちます。
○基準値の範囲
ASTは30U/L、ALTも30U/Lが基準範囲の上限値です。ただし、飲酒、運動、薬物などの影響で数値が上がることがあります。
○要注意と危険な数値
数値が高いほど、肝機能障害の重要度を示します。
ALTは70U/L以上、ALTは100U/L以上になると、精密検査が必要です。
○ドクターズアドバイス
ASTとALTの大小で、ある程度の病気の推測が可能です。いずれも高値で、かつAST<ALTの場合は慢性肝炎、ALT>ALTで、かつAST・/ALTの場合は慢性肝炎、AST/ALT比2.0以上の場合は、肝硬変が考えられます。つまり、慢性肝炎から徐々にAST>ALTになる場合は進行を意味し、注意が必要です。
今回は、肝臓はこんな働きをしているを紹介したいと思います(^-^)
○肝臓は体の化学コンビナート
体幹部右側から中央に存在する肝臓は、その大きさに見合うだけの重要な働きをしています。その主なものをあげると、次のようになります。
①エネルギー源となる栄養素をグリコーゲンに変えて貯蔵する。
②貯蔵しているグリコーゲンをブドウ糖につくり変えてエネルギーを供給する。
③コレステロールを合成する。
④各種のビタミンを貯える。
⑤血漿タンパク質を合成する。
⑥有害なビリルビンや過剰なコレステロールを排泄する。
⑦アンモニアなどの有害物質を無毒化する。
⑧脂肪の消化吸収を助ける胆汁をつくる。
⑨血液を貯蔵し、必要に応じて供給する。
⑩血液凝固にかかわる物質をつくる。
消化管などからくる血液は、門脈と呼ばれる静脈血管を通って肝臓にはいります。
⑧で示した胆汁は、胆道を通って十二指腸へ注ぎます。
一般的に、各臓器の組織は一度切除されると再生できませんが、肝臓の組織は、健康な状態なら再生できる雄一の存在です。
○胆のうは胆汁を濃縮する器官
胆のうは、肝臓の下側に位置する器官です。肝臓でつくられた胆汁は、胆のうで一時的に貯えられて、ここで濃縮され、胆道を通って十二指腸へ分泌されます。
胆汁は、胆汁酸とコレステロール、胆汁色素などを含む液体です。大便の色はこの色素によるものです。
胆汁酸は、腸内の脂質を乳化して消化、吸収できる形にする、重要な消化液です。