今回は上腹部超音波検査について紹介したいと思います(^◇^)
○超音波検査とは
超音波を利用して、皮膚の上から痛みをともなうことなく体内の形状的な異常を探るものです。魚群探知機などと同じ原理です。
○この検査でわかること
異常というのは、腎臓の場合、具体的には腎がんや結石などをさします。それらが存在していれば、モニター画像に浮かびあがります。
○異常はこんな形で現われる
正常なら、楕円形の腎臓の実質部が黒っぽく映しだされます。
このような正常な場合と比較して、実際の形状や濃淡の異常などを観察します。結石がある場合ははっきり白く映り、音響陰影と呼ぶ影ができるので、それとわかります。
○ドクターズアドバイス
腎臓は、五臓六腑の一つです。五臓とは心臓、肺臓、脾臓、腎臓、肝臓のことをいいます。
六腑とは胆のう、胃、大腸、小腸、膀胱、三焦のことをいいます。三焦は、機能はありますが形態はなく、現代医学でいう代謝中枢にあたり、熱源をつかさどっています。
今回はクレアチニンについて紹介したいと思います(^-^)
○クレアチニンとは
筋肉運動のエネルギー源となるアミノ酸の一種であるクレアチンが、代謝された後の老廃物です。
○この検査でわかること
腎臓の働き、すなわち老廃物のろ過機能が低下すると、クレアチニンの排泄も悪くなり、血液中の値が増加します。
○基準値の範囲
男性の基準範囲は0.50~1.00mg/dl、女性は0.4~0.70mg/dLです。
○要注意と危険な数値
クレアチニンと尿素窒素は、腎機能が50%前後まで低下しないと高値を示すようになりません。そこでより鋭敏に腎臓機能を表すeGFRが使用されてきました。これは男女差がなく、値が小さいほど腎臓機能低下を表します。
○ドクターズアドバイス
クレアチニンは筋肉量に左右されますので、基準範囲に男女差があります。クレアチニンよりもより腎機能を鋭敏に評価できるeGFRは、ケレアチニン、性、年齢から算出されます。60未満が3カ月以上続いた場合は、慢性腎臓病と診断されます。
今回は尿素窒素について紹介したいと思います(^◇^)
○尿素窒素とは
体内でつかわれたたんぱく質の老廃物が尿素窒素です。肝臓から排出されて、腎臓を経て尿とともに排泄されます。
○この検査でわかること
腎臓に障害が起こると血液中のBUN濃度が上昇します。これは、腎機能低下により尿中へ排泄量が少なくなってしまうためです。ただし、BUNは、高たんぱく食や脱水など、ほかの原因でも上下しやすいので、クレアチニンの値と比較しながら診断することがしばしばあります。
○基準値の範囲
基準範囲は8~20mg/dLまでが要注意範囲です。
食事や生理的なことでも変動しますが、そうした要因がなさそうなら、再検査やそのほかの関連検査を実施し、原因を把握します。数値がそれをさらに上回る、あるいは基準範囲を下回っていたら、いろいろな疾患の存在を考えます。
○ドクターズアドバイス
尿素窒素の数値は、クレアチンとともに、腎機能を反映します。ただし、尿素窒素は、食事からのたんぱく質摂取量や下痢、嘔吐、発熱、ハードな運動などの影響を受けて高くなることがあります。クレアチンはそのような影響は受けて高くなることがあります。クレアチニンはそのような影響は受けません。
今回は尿検査につかわれる用語の意味について紹介したいと思います(^◇^)
○移行上皮
腎盂から膀胱までの経路の粘膜細胞が剥離したものです。腎盂腎炎や尿路結石、膀胱炎、膀胱腫瘍などがあると見られるものです。
○顆粒円柱
腎臓の組織に障害があるときに、尿中に出てくるもので、尿円柱の一種です。糸球体腎炎や尿細管の炎症などで見られます。
○結晶
体内の成分が飽和状態を超えるなどして析出してきたもので、腎障害では、腎結石や尿路結石などがあると見られます。
○原虫
トリコモナスなどです。感染症の原因になります。
○細胞質内封入体
上皮細胞の一種で、膀胱炎や腎盂腎炎、インフルエンザなどの感染症にかかると尿中に出てきます。
○硝子円柱
たんぱく質系の微細な円柱状粒子で、腎炎などの際に尿中に増えてきますが、健康な人でも運動後や起立性たんぱく尿がある場合に出現することがあります。
○上皮円柱
尿細管内部の表皮が剥離したもので、急性尿細管壊死や腎盂腎炎などの際に尿中に出現します。
○真菌
微生物の一つで、尿路感染症などの原因になります。
○赤血球
血液の重要成分の一つで、これが見られる場合は、尿の経路のどこかで出血があると考えられます。腎炎や腫瘍、感染症などさまざまな疾患で生じます。
○赤血球円柱
赤血球のかたまりで、急性・慢性腎炎や糸球体腎炎、腎梗塞、腎不全、尿細管の炎症などがあると尿中に出現します。
○尿細管上皮細胞
尿細管やその集合管の内側の表皮細胞が剥離したもので、糸球体腎炎、尿細管壊死などで見られます。
○白血球
腎盂腎炎などの感染症があると、細菌を排除しようとして増加します。
今回は尿pH(ペーハー)について紹介したいと思います(^◇^)
○尿pHとは
pHは、水素イオン濃度の略称で、酸性度とも呼ばれています。尿pHは、尿が酸性かアルカリ性か、そしてそれはどの程度なのかを示すものです。
○この検査でわかること
尿は、腎臓の働きによってだいたいPH6前後の弱酸性に保たれています。これが強酸性やアルカリ性に傾いた場合、体内の酸塩基平衡がなんらかの異常によってくずれたことを示唆しています。
ただし、食事内容の影響を受けて変動が見られます。
○基準値の範囲
pH5.0~7.0を基準範囲としています。
○要注意と危険な数値
pHは0.5刻みで結果が得られますので、7.5以上をアルカリ尿、4.5以下を酸性尿と診断します。
高尿酸血症や痛風では、尿が酸性に傾いて尿酸が尿中で溶けにくくなります。そのため、結晶となったり、それが大きくなって、腎臓結石を起こしやすくなります。
○ドクターズアドバイス
体内の異常は、尿にさまざまな現象をもたらします。尿の量や排尿回数の急減、泡の立ち方、濁りの有無などは、自分でもわかりますから、自己チェックも簡単です。
今回は腎臓・尿管の働きを紹介したいと思います(^-^)
腎臓は、血液をろ過し、有害物質を尿として体外に排泄する働きをしています。そのほか、ホルモン分泌にもかかわっています。
○脊柱の左側と右側に対になって存在する
腎臓は、肝臓のすぐ下の背中近くに位置する臓器で、脊柱の左右に一対あります。一つの重さは約150g。縦横11cm×5cm程度で、大きなソラマメのような形です。外側から腎動脈がはいり、尿管と腎静脈が出ています。
長さ30cm弱ほどの尿管の先にあるのが膀胱で、さらにその先に尿道が続いています。
○老廃物は腎臓でろ過されて大半が再利用されている
腎動脈から入った血液は糸球体で老廃物が除かれ、細尿管へと向かいます。細尿管では、ろ過された液の99%が再利用され、1%だけが尿として排出されます。
この再吸収の過程で、ナトリウムなどの電解室やブドウ糖などの有用物質も再吸収されて、体内に戻されます。この働きにより、体内の水分や電解質の量・質を一定に保つとともに、血液の酸性度を調節し、有害物質を体外に排出しているのです。
そのほか、腎臓はいくつかのホルモンの分泌器官としての役割も果たしています。
膀胱は、いわば尿の一時貯蔵庫で、容量は最大時で300~500mL。その50%程度が満たされると、尿意を催します。
ちなみに、1日の全尿量は500~2000mLです。
今回はγ-GTPについて紹介をしたいと思います(^v^)
○γ-GTPとは
「γ-グルタミルトランスぺプチーゼ」の省略で、たんぱく質分解酵素の一種です。腎臓にもっとも多く分布するほか、膵臓、肝臓にも多く、そのほかの腎臓や血清中の数値が上昇します。
γ-GTPがもっとも多く存在しているのは腎臓ですが、腎機能に障害が起きても、ほとんど上昇しません。
○この検査でわかること
肝臓や胆道に障害があると、血清中の数値が上昇するほか、飲酒で肝臓の細胞に障害が起きても、ほとんど上昇しません。
○基準値の範囲
基準範囲の上限値は、男女とも50U/Lです。女性ホルモンの影響により、一般的に男性に比べて女性は数値の低い人が多いようです。また、飲酒によってγ-GTPが上昇しない場合でも、MCV値の上昇が見られることがあります。
飲酒しない人の場合は、肥満や脂肪肝によって上昇します。
○要注意と危険な数値
男性で100U/L以上、女性で50U/L以上あると危険域にあるといえます。