今回は上腹部CT・MRI検査を紹介したいと思います(^◇^)
○CT・MRI検査とは
CTはX線を利用し、MRIはラジオ波と磁気の特性を利用して、体内を断面画像としてとらえ、観察する装置です。
体に負担をかけないで、体内の形状的な異常を観察、診断することができます。
○この検査でわかること
CTではその横断面の画像を、MRIでは角度にかかわらずさまざまな方向からの断面画像を得ることができますから、腫瘍の有無や広がり方などを、克明に知ることが可能です。
○異常はこんな形で現われる
臓器の形に異常があれば、そのままの形で現われます。MRIの場合、角度を変化させながら観察できるため、より入念にチェックすることができます。
○ドクターズアドバイス
膵がんの自覚症状は、倦怠感、食欲不振、体重減少などで、ほかの病気でもありがちなものです。そのため、初期段階での発見は困難です。膵頭部のがんなら黄疸が出やすいのですが、ほかの部分のがんではそれもないだけに、油断できません。
今回は上腹部超音波検査について紹介したいと思います(^◇^)
○超音波検査とは
エコー検査とも呼びます。膵臓を調べる場合は腹部超音波の一種となります。
○この検査でわかること
膵臓の形状的な異常を体に負担をかけることなく画像化して調べることができます。しかし、膵臓は体の奥のほうにある臓器なので、その異常を調べるのはなかなか困難なのが実状です。
とくに、太っていたり、腸にガスがたまっていたりすると膵臓全体の観察ができません。上腹部CT・MRI検査なども同様に活用されています。
○異常はこんな形で現われる
膵石エコー像が見られれば慢性膵炎が考えられます。悪性腫瘍があれば、その部分が腫れていたり、まだら模様として映しだされます。
○関連検査
血清膵アミラーゼ、尿アミラーゼ
○精密検査が必要な場合
上腹部CT・MRI検査、ERCP.MRCP検査、腹部血管造影検査
○ドクターズアドバイス
超音波検査装置は、CTやMRIなどに比べてずっと簡便な装置であるため、個人医院なども含めて広く活用されています。
検査方法も簡便で、しかも検査能力が高いということで、超音波検査装置は「目で見る聴診器」などともよばれています。
今回は、リパーゼについて紹介したいと思います(^◇^)
○リパーゼとは
リパーゼは、膵臓の細胞で合成される酵素で中性脂肪を脂肪は、分解されることで腸管から吸収できるようになります。
○この検査でわかること
膵臓の細胞が障害を受けたり、破壊されると膵腺房細胞で合成されるリパーゼが血液中に流出する量が増えます。膵炎などの膵臓の病気を調べる重要な検査となっています。急性膵炎では、激しい腹痛、背部痛とともに、リパーゼの値が基準に数倍になっています。慢性膵炎やすい臓癌、膵のう胞でも上昇しますが、その程度は2~3倍にとどまります。しかし、急性膵炎のように1~2週間の上昇はなく、異常値が持続することが特徴です。また、肝臓の病気でも経度の上昇がみられ、腎不全のために尿からの排泄が低下すると、持続的に高値を示します。
○基準値の範囲
検査方法により、施設によって多少ことなりますが、12~50U/Lが基準範囲です。
○要注意と危険な数値
腹痛、背部痛があり、500U/L以上では急性膵炎、慢性膵炎の悪化が考えられます。慢性膵炎が長期化すると、膵炎が荒廃しリパーゼが分泌されなくなり低値を示すようになります。
○ドクターズアドバイス
性膵炎時にはリパーゼに比べ、膵アミラーゼの方が早期に高値を示します。異常を示す期間はリパーゼの方が長いという特徴があります。また、以前は尿アミラーゼも測定されていましたが、血中膵アミラーゼやリパーゼのほうが有用性が高いため、現在ではあまり使用されなくなっています。
今回は血清膵アミラーゼについて紹介したいと思います(^◇^)
○血清膵アミラーゼとは
アミラーゼとは、ジアスターゼとも呼ばれる消化酵素で、炭水化物の分解にかかわっています。膵臓のほか、唾液線からも分泌されますが、両者は、分子構造のタイプがわずかに異なります。
アミラーゼは、その分泌組織に異常が生じると、血液や尿の中に出てきます。このうち、膵臓の障害によって血液中に出てくるが、血清膵アミラーゼです。
○この検査でわかること
この検査は膵臓の異常が予測される場合などに行います。とくに急性膵臓炎、慢性膵炎が疑われるときに検査をします。
○基準値の範囲
基準範囲は、18~53U/Lです。ただし、検査法により数値が異なる場合があります。
○要注意と危険な数値
境界域のようなものはありません。また、数値の高さと重症度は比例しません。腎不全では見かけ上より高値に、糖尿病では低値が生じやすくなります。
○ドクターズアドバイス
アミラーゼには膵型と唾液型があります。耳下腺炎、唾石など耳下腺疾患で上昇します。膵臓疾患が疑われる場合は、唾液型を含む血清アミラーゼではなく、より直接的な血清膵アミラーゼの測定が有用です。
今回は膵臓の働きを紹介したいと思います(^◇^)
○膵臓は体の奥の方で、2つの大役を担ってる
膵臓は、長さ10~15cmほどの臓器で、胃と十二指腸に囲まれるようなかっこうで位置しています。そして、栄養素を分解する各種の消化液を分泌するため、膵管が十二指腸のファーター乳頭という出口へと通じています。
膵臓全体は、十二指腸に近い方から順に、頭部、体部、尾部というように分類されていますが、外見上は、はっきりとそのようにわかれているわけではありません。
膵臓はそれほど大きな臓器ではありませんが、じつにさまざまな役割を果たしています。その役割は、外分泌機能と内分泌機能に大別されます。
○栄養素を分解する酵素やインスリンなどのホルモンを分泌する
主な外分泌機能は、消化酵素などの十二指腸への分泌です。分泌される消化酵素は、
①炭水化物分解酵素
②たんぱく質分解酵素
③脂質分解酵素
三大栄養素と呼ばれる炭水化物、たんぱく質、脂質のすべての消化にかかわる物質を分泌しているということになります。
内分泌機能は、膵臓内に無数に分布する、ランゲルハンス島という組織が担っています。ここのα細胞からは血糖値を上昇させるグルカゴンというホルモンが、またβ細胞からは血糖値を低下させるインスリンというホルモンが、それぞれ分泌されています。
血糖値の維持、調整は、私たちの生命維持や活動エネルギーの代謝に直結するもので、栄養素の消化にかかわるのと同等の重要性をもっています。
今回は胆石が発見された場合の対策を紹介したいと思います(^◇^)
○胆石の正体はコレステロールが多い
胆石とは、胆管や胆のうにできる石のようなかたまりです。胆石の素材は80~90%が胆汁の成分であるコレステロールかビリルビンです。都市部ではコレステロール結石が、農村部ではビリルビン結石が多く見られますが、生活様式の均一化が増加しています。
胆汁に含まれるコレステロールが増え、一定量を超えて固まって起こるにが、コレステロール結石です。
コレステロール結石は、40歳代の肥満した女性に多く発症することがしられています。
○胆石症の症状は?
胆石症の症状として突然起こるのが、胆石仙痛の発作です。右あばら骨の下あたりを中心に、突然、激烈な痛みに襲われます。そして、右肩や背中にその痛みが響くように感じます。一度にたくさんの食事をした後や脂肪の多い食事の後に起きやすくなります。
ただし、この胆石仙痛は、胆石のある人すべてに起こるわけではありません。「無症状胆石」といって、生涯痛みが起こらない人も少なくありません。年に1回、超音波検査によるチェックを受けてください。
胆のう結石が大きくなっている場合は、仙痛発作がきっかけとなって結石が胆のうの出口などをふさいでしまうと、胆汁の流れが滞り、血液中にあふれて黄疸が強くなるとともに、肝臓を傷める原因になります。
とくに、胆のう内に胆石が充満している場合は、胆のうがんが見落とされやすいので、症状がなくても胆石を摘出することが望まれます。
○生活スタイルに原因があるケースが多い
胆石ができる原因は具体的に特定することができません。ただ、肥満や脂肪の多い食事、不規則な食生活、ストレスなどが影響して、胆汁成分に異常が生じたり、胆道の炎症を招いたりしてできるケースがよくみられます。
日本人の成人の10%程度が胆石をもっており、さらに、症状を認める人は年立1~3%です。食事を中心とする生活スタイルの欧米化が胆石の発症に関係があります。ということは、胆石症の予防・施術の鍵は、日常生活の中にあるということになります。
今回も前回と引き続き肝炎、肝硬変、肝がんについて紹介したいと思います(^◇^)
○慢性肝炎と肝硬変は肝がんになりやすい
肝がんは、肝臓そのものにがんができる原発性のもの、ほかの臓器にできたがんが転移したものとに大別されます。
原発性肝がんは、そのほとんどがC型肝炎ウイルスから起きた肝硬変の人に発症しています。
厚生労働省の調査によると、現在、日本には約200万人のC型肝炎ウイルス感染者がいます。そのうちの約72万人が慢性肝炎になり、7万人が肝硬変に、さらに3万人が肝がんになると推定されています。
同調査では、肝がんによる死亡者のうち、76%がC型肝炎ウイルスに、1607%がB型肝炎ウイルスに起因するのであると報告しています。
慢性肝炎や肝硬変と診断された場合は、定期的に検査を受けて、がんの早期発見に努めましょう。肝がんは早期発見が難しいといわれていましたが、検査法のまざましい進歩によって、直径1cmほどの小さながんも見学が可能になっています。
○脂肪肝も肝硬変に至るケースもある
脂肪肝の中には、非アルコール性脂肪性肝炎があり、肝硬変、肝がんになる可能性があります。
○急性・慢性肝炎の施術はこうする
ウイルス性急性肝炎の施術は、安静と食事療法を中心に進めます。薬物を使用することも珍しくありません。ただ、劇場肝炎に移行してしまったケースや黄疸が強いケースでは、血液透析を行います。一般に用いられる薬物は、胃腸や肝臓の機能を整えたり、栄養分としてブドウ糖の点滴やビタミンを補給したりするものがほとんどです。ウイルスを撲滅させることを目的とする薬剤ではありません。ただし、C型肝炎は急性期においてインターフェロンが有効です。
ですから、「薬を服用しているから、安静や食事療法はいい加減でもかまわない」という考え方は禁物です。
安静の必要性については、研究者の間で多少意見の相違もありますが、少なくとも急性期の安静は、回復のし方にかかわるにで、”必要”だと考えるべきでしょう。
急性期の食事療法は、肝臓への負担を軽減するため、「低蛋白・低脂肪・高ビタミン食」を基本にします。
たんぱく質の1日量は、体重1kgあたり1g程度に抑え、病状が人によって異なりますので、主治医から病状が人によって異なりますので、主治医から病状に合った生活指導や薬物施術を受け取ることが大切です。
今回は肝炎、肝硬変、肝がんについて紹介したいと思います(^◇^)
○はじめの自覚症状ははっきりしないことが多い
急性肝炎という名称の印象からか、症状が激しいもののように思われがちですが、発症当初の自覚症状は、風邪に似ており、発熱、食欲低下、吐き気、嘔吐などが主な症状です。
1週間ほどすると黄疸症状がでることがあります。この黄疸が、かぜか急性肝炎かの判断素材になります。
チェックポイントは「尿」で、黄疸が現われる数日前から、尿の色が濃褐色になります。「まるでビールのようだ」などと表現されることがありますが、泡も黄色みを帯びる点が違います。ふつうのかぜでは、泡まで黄色くなることはありません。
「かぜかな」と思わせる症状が出て、さらに尿の異変に気づいたら、安静を心がけるとともに医師の診断の診察を受けることが大切です。
ただ、症状の程度はまちまちです。ごく軽いまま経過する場合もありますが、きわめて重症な劇症肝炎では公費対象となり、入院による集中施術で命を取りとめなくてはまりません。
○急性肝炎は慢性化することがある
ウイルス性の肝炎が6ヵ月以上にわたって継続している場合は、慢性肝炎と診断されます。なかでも慢性化しやすいのはC型肝炎で、次がB型肝炎です。A型肝炎は急性肝炎のみで、慢性化はしません。
ウイルス以外では、アルコール、薬物、自己免疫、代謝異常などでも、慢性肝炎を引き起こしやすくなります。
慢性肝炎を放置すると、肝硬変に進んでしまいます。肝硬変は、肝細胞が破壊され、線維化して肝臓全体が縮んで硬くなるものです。それでも、肝臓としての機能をはたしているうちは自覚症状が現れません。しかも、肝細胞が破壊されているためにAST・ALTの検査値が慢性肝炎よりも低くなる点が落とし穴です。
今回はウイルス性肝炎について紹介したいと思います(^-^)
○肝炎の多くはウイルス性の肝炎
ウイルス性肝炎は以前はA型とB型が知られていました。それ以外は非A、非B型として扱われていましたが、1989年にC型ウイルスが発見されて以来、急速に研究が進み、現在ではD、E、G型も確認されています。
急性肝炎には、ウイルス性肝炎のほかに、飲酒によるアルコール性肝炎のほかに、飲酒によるアルコール性肝炎や薬物による薬剤性の肝障害、自己免疫性肝炎などがありますが、圧倒的に多いのはウイルス性のものです。肝がんの原因の90パーセント以上が、B型、C型肝炎ウイルスです。
肝炎のお客さんのついて「酒の飲みすぎか?」などと言うのは、的外れのことが多いです。
○肝炎ウイルスはどんな経路で感染するか
ウイルス性肝炎で問題なのは、その感染経路です。
A型肝炎で問題なのは、その感染経路、つまり食べ物や飲料水を通じての感染です。これは、A型肝炎ウイルスが主として便の中にいるためです。近年は、環境衛生や個人の衛星観念が向上してきたため、わが国では感染者が減少してきています。
B型肝炎ウイルスは、主に血液や体液を介して感染します。以前は輸血が原因になりましたが、現在はスクリーニング検査をして感染している血液は除外しているため、ほとんどみられなくなりました。ウイルスを保有する母親から新生児への母子感染も、予防法が確立したことで激減しています。現在増加しているには、性交渉によって感染するケースです。感染しないためには、コンドームの使用が必要です。
C型肝炎は、輸血による感染が圧倒的に多かったのですが、対策が徹底しているため、輸血による感染はほぼ予防できるようになりました。それ以外の原因として、予防接種の注射針がつかない捨てでなかった時代には、注射針を通して感染者から伝染した時代には、注射針を通して感染者から伝染したこともあります。性交渉で感染することはごくまれにしかありません。また、母子感染の確率も低いとされています。
D、E型肝炎はではあまり見られません。D型肝炎は比較的にまれで、B型肝炎ウイルスと併存します。E型肝炎は経口感染でやや増加しています。
今回は腹部血管造影検査を紹介したいと思います(^◇^)
○腹部血管造影検査とは
肝臓や消化器などの動脈血管を重点的に調べるもので、腹部動脈造影検査を重点的に調べるもので、腹部動脈造影検査とも呼んでいます。
造影剤を注入するカテーテルは、足の付け根の鼠径部から大腿動脈に挿入し、適切な場所まで押し入れてきます。そこで造影剤を注入し、コンピューター画像化して、写真撮影を行います。
腫瘍など見つかれば、薬を直接注入し、施術することも可能です。
○この検査でわかること
動脈の形状的な異常から、腫瘍の有無や良性・悪性の判別、病気は、肝、胆管、胆のう、膵臓などのがん、消化管出血などです。場合によっては施術を行うことができます。
○異常はこんな形で現われる
腫瘍部で血流が豊富になるので、画像上では血管が固まったように見えます。
そのほかに、出血の状態や血管の位置などの異常も明瞭に観察できます。
○ドクターズアドバイス
検査後は、カテーテルを抜いた部分から出血する危険性があるため、丸一日はベッドの上で安静にしていなければなりません。
そのときは、感染を予防する意味で、抗菌薬点滴も行われます。