今回はやせすぎ・太りすぎについて紹介したいと思います(^-^)
<症状>
食欲があるのに太らないという人もいますが、一般的にやせすぎの人は、胃腸あまり丈夫でない人や、神経質な人が多いようです。そういった人の中には、慢性的な内蔵の病気がある場合もみられます。
一方、太りすぎは、主にかたよった栄養の摂取や食べ過ぎ、運動不足などが原因でおこります。太りすぎると動脈硬化症や高血圧症、心臓の病気をともないやすいので、注意が必要です。
<施術のポイント>
やせすぎの場合には、胃腸の機能を整えて消化活動を活発にする背中の胃ゆ、脾ゆ、腹部の大巨、足の三里、地機などの核ツボを指圧します。神経質で食が細く、体力の弱い人も腰の腎ゆの指圧で全身に活力がつきます。
太りすぎの場合には、背中や足の核ツボの指圧と、腹部の核ツボに沿った軽いマッサージが効きます。みぞおちから肋骨の内へりにそってなでたり、下腹部までを蛇行するようにもんだり、期門から関元までをなでおろしたりしてもよいでしょう。また、足に脂肪がつきやすい人は、ふくらはぎの承山などを刺激すると効果的です。
<施術のすすめ方>
○腎ゆ
神経質で食の細いやせすぎの人に体力と活力をつける
<位置>
いちばん下の肋骨の先端と同じ高さのところで、背骨をはさんだ両側。
<施術>
施術者はお客をうつぶせに寝かせ、両手の親指でツボを押す。これによって腰の緊張がほぐれ、全身の体力増加と活力増進につながる。消化器の機能を高める胃ゆ・脾ゆなど背中の核ツボの指圧のあとに、背中から腰絵のマッサージとあわせておこなうとよい。
○承山
足に脂肪がつきやすい人は指圧とマッサージでふくらはぎをほっそりさせる
<位置>
足の後ろ側のふくらはぎの中心線上で、腱と筋肉の変わり目のところ。
<施術>
うつ伏せに寝かせたお客のふくらはぎにあるツボを、親指の腹で数秒間、2~3回以上くりかえし押す。太り過ぎて足に脂肪がつきやすい人は、この部分の筋肉をふるわせたりもんだりして刺激を与えると、さらに効果的。根気よく続ければ足がほっそりしてくる。
○腹部の脂肪をとるマッサージ
仰向けに寝たお客が息を吐くのに合わせて、みぞおちから下腹部までをゆっくり押します。続いてみぞおちから肋骨沿いにいちばん下までを数回なでおろしたら、今度は腹部に大きく円やSの字を描くようにおこなう習慣をつけるとよいでしょう。
また、おへそのあたりを軽くつまんでは話すという動作を繰り返したり、肩峰のわき腹へ押すようにもむのも効果的です。
①施術者はお客の腹部に両手を重ねて、脂肪を軽く真ん中に寄せては話すという動作を繰り返す。
②施術者はお客のわき腹に指先をそろえて両手を重ね、そろえた指先で櫓を漕ぐようにして、リズミカルにもみ進む。
③そろえた両手の指先で櫓をこぐようにして、リズミカルにもみ進み、反対側のわき腹までたどり着いたら、同じ動作を繰り返す。
今回は半身不随(脳卒中)について紹介したいと思います(^-^)
<症状>
脳の血管がつまったり破れたりして起こるからだの左右どちらかのまひ状態を、脳卒中による半身不随といいます。発症後しばらく手足がだらりとしたまひ状態となって、手足がほとんど動かせない状態になることが多く、数週間たつと今度はひきつった状態のまひとなります。
とくにては手のひら川がひきつって伸ばせなくなり、足は足の後ろ側がひきつってのびたままになります。
まひした手足は、冷えたりほてったり、むくんだり痛んだりすることがあります。
<施術のポイント>
運動機能の回復をはかる施術が効果をあげるのは、発症後半年から一年ぐらいまでです。まずは、専門医の施術を受けながら、リハビリテーションをおこなうことが大切です。
ツボ療法では、手足のマッサージを中心にして、体の機能回復訓練が順調におこなえるよう手助けをします。頭、首、肩をマッサージしたり、筋肉のこわばりをほぐして関節の動きを楽にするよう、背中のけつ陰ゆ、手の曲池など、背中や手足の核ツボを軽めに指圧してもよいでしょう。
<施術のすすめ方>
○曲池
肘の運動の前に軽く刺激して緊張をほぐす
<位置>
ひじの曲がり目の親指側のくぼみ。
<施術>
施術者は、仰向けにして親指をツボの位置に当て、軽く力をこめて指圧する。肘の曲げ伸ばし運動の前におこなうと、この部分のこわばりがほぐれ、関節が動かしやすくなります。
○半身不随お客の関節運動
半身不随お客は、手足のひきつりのためにまっすぐからだを伸ばして寝ることができません。しかも、ひきつったからといって同じ姿勢お長時間続けていると、ほかの病気を併発する原因にもまりかねません。お客が自分ひとりで自由に動くことができない場合は、介護者が数時間おきにお客の体の向きや手足の位置を変える必要があります。
お客の体胃県巻を介護者がただしくおこなうことが、お客の関節のひきつりや変形を防ぐことにもつながります。また、お客の手足の関節を動かす運動を介護者が手伝っておこなうと、からだの機能回復を早めるのに役立ちます。
①ひきつった手足をまっすぐにするには
あおむけにねたお客のまひしている側の方を横に開き、腕とわきの間に筒状にまるめた毛布をはさんで固定する。まひしている側の足浦には、別途や壁にもたせかけたいたを当て、足が内側や外側にむかないよう、枕や毛布、座布団などで固定する。手にはタオルなどを握らせる。
②手の関節を動かす運動
介護者は、お客の手首をもって腕を伸ばす。お客が痛がらない程度にゆっくり少しずつ動かすのがコツ。最初は肘を押さえて前腕が直角になるまで動かし、次に押さえる場所を腕のつけ根に移し、腕をまっすぐに伸ばす。これをゆっくりと繰り返す。ひきつってちぢまって手の指を1本ずつほぐして開いたり、手首をゆっくりとまわす運動を加えてもよい。
③足の関節を動かす運動
介護者は、お客の足首をもって足を曲げ伸ばす。お客が痛がらない程度にゆっくり少しずつ動かすのがこつ。最初は膝を押さえて徐々に愛詩をまげていき、ある程度まで曲げたら次に徐々に戻す。これを静かにくり返す。足首を押さえてつま先を外側に向けたり、足首をゆっくりとまわす運動を加えてもよい。
今回は2日酔い・乗り物酔いについて紹介したいと思います(^-^)
<症状>
二日酔いとは、お酒の飲みすぎが原因で、頭痛や頭重、吐き気、嘔吐、食欲不振、脱力感などの症状が起こることをいいます。これを防ぐには、飲酒の量に十分注意することが大切です。
一方、乗り物酔いのほうは、乗り物になったときに伝わるからだの振動が、自律神経の一時的な失調をまねき、吐き気や気分の不快感といった症状を引き起こすと考えられています。
<施術ポイント>
二日酔いと乗り物酔いは、それぞれ原因がことなりますが、どちらもまず、不快感や吐き気などの症状をやわらげることが施術のポイントといえます。
頭の百会、首の天柱、風池、完骨の指圧は、二日酔いの頭痛や頭重に効果があり、乗り物酔いの場合には、酔いによる心の同様をしずめるのに効果的です。吐き気や胸のむかつきには、腹部の鳩尾から期門、天枢にかけて、背中のけつ陰ゆからkんゆ、腎ゆにかけて各ツボの指圧を行います。えい風、足の築ひん、地機などを、親指でしっかり指圧すると効果があります。
<施術のすすめ方>
○百会
二日酔いの頭痛・頭重乗り物酔いの気分の同様をおさえる
<位置>両耳をまっすぐあがった線と、眉間の中心から上がった線が交差する、頭のてっぺん。
<施術>
施術者はお客の頭を両手でかかえ込み、左右の親指でゆっくりと静かにツボを指圧する。二日酔いの頭痛・頭重をsっきりさせるのに効果が高く、また、乗り物酔いの場合の気分の動揺もやわらげるようです。
○きょう陰
平衡感覚に関係のあるツボ 乗り物酔いの症状によく効く
<位置>
側頭部で、両耳のすぐ後ろ
<施術>
左右のツボを指で強めに押す。このときお客は上半身をまっすぐに起こした姿勢をとる。続けてえい風・完骨などの指圧もおこなうとより効果的。これらは平衡感覚に関係するツボで、乗り物の動きによって内耳のリンパ駅の循環が影響を受けて起こる乗り物酔いにはとくに効果がある。
○肝ゆ
気分の悪さ・吐き気・胸のむかつきをやわらげる
<位置>
背中の上下真ん中より少し上、背骨をはさんだ両側のあたり。
<施術>
施術者はうつ伏せに寝たお客の背中に両手のひらをつき、左右のツボを親指で同時にやや力をこめて押す。背中の緊張をほぐし、内蔵、とくに肝臓の機能を高める。脾ゆ・胃ゆの指圧と合わせて、吐き気や胸のむかつきをやわらげるようです。
○期門
息苦しいさをやわらげ吐き気・嘔吐にも効果
<位置>
地首のましたで、第9肋骨の内側のあたり
<施術>施術者は、仰向けにねたお客の肋骨の下の方を両手でおおうようにし、その親指でツボを押さえる。これは、息苦しさをやわらげるのに効果がある。吐き気や嘔吐があるときは、さらに周辺の腹部のツボの指圧とマッサージを加えるとよい。
今回は吐き気・嘔吐について紹介したいと思います(^-^)
<症状>
吐き気や嘔吐が起こるときは、胃がむかむかして顔色が悪くなり、苦痛をともないます。重い病気の症状のひとつとしてみられることもありますが、一般に、胃や腸などの消化器系の病気のときに多く見られます。
嘔吐は一種の反射的な生理現象で、腐った食べ物や毒物などが胃にはいったとき、はくことでこれらを体外へ除去し、身を守ろうとするものです。吐き気はその前ぶれともいいます。
<施術のポイント>
原因となる病気や有害物があれば、その施術と除去が先決です。そのほかの場合は安静と保温につとめ、激しい腹痛などがある場合を除いてツボ療法で症状をやわらげます。
消化器系の中で胃の機能障害が主な原因と考えられる場合は、胃ゆ、中かん、天枢、巨けつなどを中心に指圧します。肝臓や胆のうの機能障害が考えられる場合は、肝ゆ、胆ゆ、期門も加えます。
また、胃腸の機能を反射的に整えるためには、足の三里やれいだ、築ひんなどが有効です。
こみあげてくる吐き気をとめるには、気舎の指圧が効果的です。
<施術のすすめ方>
○胃ゆ
背中の緊張をほぐし胃腸の働きを活発にする
<位置>
背中の中央からやや下で、背骨をはさんだ両側のあたり。
<施術>
施術者はうつ伏せに寝たお客の背中に両手のひらをつき、左右のツボを親指で同時にやや力をこめて押す。背中の緊張をほぐし、胃腸の働きを活発にする効果がある。肝ゆ・脾ゆもあわせて指圧するとさらによい。
○天枢
消化器系の機能を促進するツボ マッサージも効果的
<位置>
おへその両脇から指幅2本分ほど外側のところ。
<施術>
お客を仰向けに寝かせ、両手の人差し指・中指・薬指をそろえて、腹部の脂肪が軽くへこむ程度に指圧する。これによって消化器系の機能が促進される。みぞおちからこのツボまでの範囲を、ゆっくりマッサージするのもよい。
○足の三里
胃のもたれをおさえ 肝臓や胆のうが原因の症状に効く
<位置>
向こうずむの外側で、膝の下からおよそ指幅3本分くらいのところ
<施術>
お客は仰向けに寝た姿勢で、施術者が左右の足それぞれを指圧する。お客が自分で指圧する場合は椅子に腰かけると施術しやすい。消化器系一般、胃のもたれや肝臓・胆のうなどの症状に効果がある。
今回はツボ療法について紹介したいと思います(*^_^*)
○ツボの不思議な効果
東洋医学では、人間の体の中には、体の機能正常に保ち続けるためのエネルギーたえず循環する道すじは経絡と呼ばれており、体全身場所をめぐって、常に体のすみずみにエネルギーを送り込んでいると考えられています。
それぞれの経絡は、人間が生命を維持していくうえで大切な六臓六腑に過不足なくエネルギーを供給するための専用通路になっています。これらの通路に、ツボといわれるところがたくさんあります。このツボは非常に不思議なところで、ここを刺激すると、その刺激がツボの所属する経路の沿って伝わり、体の不調が改善されるのです。
○ツボの正確な位置を知るには
ツボの正確な位置というのは、人によって異なります。本書の中でも、ツボの位置として人体図で示したり、骨や筋肉などとの関係から説明してありますが、これらはあくまで、ツボを探しだすための目安のひとつにすぎません。
正確なツボの位置の見当をつけ、その周辺の皮膚の状態や筋肉のしこりぐあい、押したときの感触・痛みなど、さまざまな反応から各人のツボをさぐり当てます。
○ツボはどんなときに有効か
ツボ療法は、内蔵や組織的にはっきりした病変はないが症状として苦痛がある、というような状態のときによく効くとされています。たとえば、現代医学でははっきりと病名をつけにくい、半健康でどこか思わしくない、という場合です。病気の原因が確認できなくても、症状がわかりさえすれば、効果的な施術をすることができるのです。
また、季節の変わり目や天候が下がり坂のときなどに起こりやすい病気、心と体のバランスがくずれて起こる心症のような病気には、たいへん効果があります。
反対に、感染症や激症の急性病の場合には、完治させる効果はあまり期待できませんが、症状をやわらげるうえではたいへん役立ちます。
今回は全身の症状と病気 だるい・疲れやすいについて紹介したいと思います!
○症状
無理な運動や労働のあとにくる疲れやだるさは、主に筋肉の疲労によるものです。これは、軽いものなら入浴、睡眠など、十分な休養をとることで回復できる場合がほとんどです。
しかし、原因のはっきりしない疲労感や、何日たってもとれないだるさがあるときは、内蔵疾患など、何らかの病気の初期症状ということも考えられるので、病気で検査を受けたほうがよいでしょう。また、悩みごとや不安感など、精神的なものが原因となって疲れを感じることもあります。
○施術のポイント
施術方法は、この症状の原因や、症状の起きた場所によって違います。たとえば、背中や腰のだるさには、まず首の天柱、背中の身柱、肝ゆ、腰の志室、腎ゆなどの指圧をおこないます。胸腹部のだん中、期門、中カンなども効果があります。
さらに、腕がだるい場合には手の陽池、曲池、合谷、内関などを、足がだるい場合には足の三里、イン門、築ひん、三陰交などを、指圧すると効果的です。また、足の裏のゆう泉をしっかり指圧しながら土踏まずをもむと、全身の疲労がとれます。
○天柱
首のこりと疲れをほぐしぼんやり気分をリフレッシュ
<位置>首の後ろの髪の生え際にある、2本の太い筋肉の外側のくぼみ
<施術>施術者は、お客の頭を後ろから両手で包みこむようにし、親指でツボの指圧を。これによって首のこりがほぐれ、頭と体の血行がよくなる。また、続けて身柱など背中のツボの指圧をすれば、さらに全身のこりとだるさがやわらぐようです。
○足の三里
足の疲れをとるのはもちろん、全身の活力源としても有効
<位置>むこうずねの外側で、膝の下からおよそ指幅3本分くらいのところ
<施術>お客は仰向けに寝た姿勢で、施術者が左右の足をそれぞれ指圧する。お客がじぶんで指圧する場合は椅子に腰かけるとよい。この指圧によって足の疲れがほぐれ、全身のだるさがやわらぐ。症状が慢性的な場合もお灸も効くようです。
今回も、めまい・たちくらみについて紹介したいと思います(*^_^*)
<症状>疲れた時に軽くからだがふらつくものから、病気にともなっておこるものまで、症状はさまざまです。そしてその原因は、ほとんどの場合が血液循環の異常であるといえます。つまり、高血圧症や低血圧症、動脈硬化症などの病気の場合におこりやすくなります。
また、いわゆる「目が回る」といった回転性のめまいは、内耳のリンパ駅の循環異常が原因で起こるとことがしられています。
<施術のポイント>
まず頭の百会、きょう陰、角孫、えい風、首の天柱、風池、完骨など、血液循環の異常を施術するのに欠かせないツボを、ゆっくりとくり返し指圧します。慢性化しためまいには、天柱や風池にお灸をするとより効果的です。
そのほか、肩井、心ゆ、肝ゆ、腎ゆや、鳩尾、中かん、盲ゆを強く指圧したり、太けい、足三里や手三里、曲池などをくり返し指圧します。
<施術のすすめ方>
○きょう陰
耳の周囲のツボ指圧と併用すると頭部の血行はよくなる
<位置>側頭部、両耳のすぐ後ろ。
<施術>左右のツボを指で強めに押す。このときお客は上半身をまっすくに起こした姿勢をとる。また、続けてえい風・角孫など耳の周辺の指圧をくり返すと、頭の血液の循環がよくなる。耳鳴りや難聴をともなう場合はとくに効果的です。
○風池
めまいと不快感をやわらげ頭の諸症状によく効く
<位置>首の後ろの髪の生え際で、2本の太い筋肉の両外側をわずかに離れたくぼみのあたり。
<施術>お客の頭を後ろから包みこむようにして両手の親指をツボに当て、こねるように押す。このツボは頭のさまざまな症状に効果があり、めまいとそれにともなう頭部の不快感もやわらげる。
○百会
頭痛や難聴をともなう場合にとくによく効く
<位置>両耳をまっすぐ上がった線と、見軒の中心からあがった線が交差する、頭のてっぺん。
<施術>まず、施術の最初にここを指圧すると、全身の不快な症状をやわらげるのに効果的。とくに頭痛や難聴をともなう場合によく効く。施術者はお客の頭を両手でかかえ込み、左右の親指で、静かに指圧する。
○メニエール症候群
周囲がぐるぐるまわるように感じる開転性のめまいに、耳鳴りや難聴、吐き気、冷や汗などをともなうのが、メニエール病です。
これらの症状のすべて、あるいは一部がみられる病気を総称して、メニエール症候群と呼ぶことがあります。
発策が起こったら、首の天柱、風池、完骨、耳の後ろのきょう陰などを指圧することで、だいぶ症状をやわらげることができます。とくにこれらのツボは、お客が自分で指圧できる位置にあります。落ち着いてもむようにおしてみましょう。
今回は簡単にツボをみつけるコツについて紹介したいと思います(^v^)
ツボの位置は、人それぞれからだの大きさやかたちが違っているように、ひとによって少しずつ違っています。したがって、ツボの描き込まれた人体図や、骨や筋肉などとの関係から言葉で説明されるツボの位置は、あくまでもツボを探す目安のひとつにすぎません。周囲や皮膚の状態、筋肉のしこりぐあい、押したときの感触・痛みなど、さまざまな反応とあわせてはじめて施術効果を生むツボが発見できるのです。
触ったときの感触が、その周囲のほかの場所に比べてカサカサしていたり、しこりがあったり、熱かったり、冷たかったり、あるいは皮膚の色が違っているなど、ツボの反応はさまざまです。また、押したりつまんだりしたときに、押されたりつままれたりした当人がどのようにかんじているかということも、ツボを探すうえでは大きな手がかりになります。
つまり、さわる、つまむ、押すといった動作がツボを探す基本となります。また、皮膚には痛覚、温度覚、触覚、圧覚があり、これらの感覚に異常があれば、それと関連する内蔵など、からだの機能の異常をしることができます。その窓口となっているのがツボなのです。
○ツボを探すときのものさし
ツボの位置を言葉で示す際には、「○寸○分」という単位がよく使われています。ただし、これは曲尺の寸や分とはまったく異なるものです。
ツボを探すときにつかわれる寸の単位は、施術を受ける人すなわちツボを探してもらう人の親指の一番太い部分の幅を、だいたい一寸としています。これは、その人の中指を折り曲げたときにできる第二関節のしわの端から端までの長さともほぼ一致します。また、親指を詰めぎみに二本そろえた幅や、人差し指と中指をゆるめにそろえた幅のいちばん太いところをとって二寸とすることもあります。
施術をうける人の親指の幅えお詰めぎみに0本分ゆるめにそろえた幅のいちばん太いところをとって、ツボを探すようにします。
今回は、お灸によるツボ療法について紹介したいと思います(^-^)
お灸による施術は、皮膚に対する温熱の刺激効果を利用したもので、古くから一般家庭でも広くおこなわれていました。お灸の熱刺激が皮下に伝わって血行をよくし、血液内にさまざまな免疫物質をつくるとともに抵抗力を増すという効果があります。また、ツボにお灸をすることで、からだの機能を改善する効果も期待できます。
お灸の種類と方法には、直接、皮膚にすえる有痕灸と、痕がつかない無痕灸、知熱灸のほかに、市販の温灸器をよういた温灸などがあります。
○お灸に必要なもぐさと線香
お灸をこなうには、もぐさと、天下のための線香、もぐさを払いのけるための筆かピンセットが必要です。もぐさは薬局で市販されています。線香は普通に家庭で用いられているものでかまいませんが、できればかためで折られにくいものを選ぶようにします。もぐさの質は、やわらかで淡黄色のきめ細かいものを選ぶと、火がつきやすく、徐々に燃えていきます。
○お灸お方法
もぐさを手のひらにとってよくもみ、適量を取り分けてツボの位置に円錐形にして置きます。ツボをわずかに湿らせておくともぐさが安定しますが、もぐさを取り分ける手が乾いていないと、手にもぐさがついて崩れてしまうので注意します。うまくツボの位置に円錐形にもぐさを置いたら、その頂上に線香で点火します。点火後はもぐさのおいてある周囲の皮膚を人差し指と中指ではさむいようにして押さえます。この取り分けて点火する文のもぐさを一壮という単位で呼びます。一壮目のもぐさが燃え尽きたら筆かピンセットで払いのけ、次のもぐさをおいて、再び同様の手順で二壮目のお灸をします。
○お灸の回数
お客の体力や症状によって異なりますが、ひとつのツボに対する一回の施術では、大人で三~七壮、子供で一~三壮ぐらいが適当です。知熱灸の場合は、大人で一回三~五限度とします。お灸は数週間続けて一週間休むぐらいのペースで行なうと効果的ですが、一~二日でやめたのでは効果がありません。
○お灸をしてはいけないとき
空腹時、食後すぐ、飲酒中・発熱時、めまいや動悸がひどいとき、ひろうの激しいときは、お灸による施術を控えた方が安全です。
○お灸のあとは
お灸のあとは軽く指先でその部位を指圧します。痕が化膿したときには軟膏を塗って、化膿が治るまでお灸施術を休止します。
お灸の直後の入浴は控えます。お灸の後、一時間以上たったら入浴して差し支えありません。
今回は低血圧症について紹介したいと思います(*^_^*)
<症状>一般に、最高血圧が100mHg以下の場合を低血圧症といいます。これには、何らかの病気が原因で起こる二次性低血圧症、ねているときは正常な血圧なのに起き上がると急に血圧が低下する起立性低血圧症、原因不明の本態性低血圧症があります。
本態性低血圧症は体質的なものが関係するとかんがえられており、だるい、疲れやすい、めまいといった全身症状や、慢性的な頭痛、肩こり、食欲不振、手足の冷えなどの諸症状をともないます。
<施術のポイント>
二次性低血圧症の場合は、原因となる病気の施術が先決です。起立性・本態性の場合には、それともなう各症状に効果的なツボ療法を行います。
とくに頭痛や頭重がひどい場合には、百会、天柱をしっかり指圧します。天柱から肩井に向かってマッサージすると血液の循環がよくなり、かたこりやめまいもやわらぎます。背中のけつ陰ゆ、腰の腎ゆ、腹部のだん中、盲ゆ、中かん、大巨、手のげき門足の三陰交の指圧も、諸症状に効果があります。手足の冷えには背中のかくゆ、手の神門、足の陰陵泉が不眠や不快感などの神経症状には照海が効果的です。
<施術のすすめ方>
○盲ゆ
低血圧症の人に彩も多い慢性的なだるさを解消
<位置>おへその両脇あたり
<施術>施術者はお客を仰向けに寝かせ、両手の指をそろえ、中指を中心にして指圧する。低血圧症によくみられる慢性的なだるさをやわらげるのによい。また、それにともなうのぼせ・冷えも緩和する。腹部の指圧は、脂肪が軽くへこむ程度におこない、力をいれすぎないように注意する。
○神門
手の冷えや顔のほてりをやわらげる
<位置>手首の関節で、手のひら川側の小指寄りの端。
<施術>お客は手のひらをうえに向けて差し出し、施術者はそれを下からすくうようにして手首を持つ。ツボの位置に親指がさわったら、力をこめて押す。これによって、手の冷えや顔のほてりがやわらぐ。循環器系の病気が原因の場合も有効。
○百会
めまい・立ちくらみや頭痛・頭重など低血圧症の諸症状に効果
<位置>両耳をまっすぐ上がった線と、眉間の中心から上がった線が交差する、頭のてっぺん。
<施術>施術者はお客の頭を両手でかかえ、左右の親指で、真上からしっかり指圧する。とくに頭痛や頭重などをともな症状が改善される。全身の不快感もすっきりするようです。