今回は、HA抗体を紹介したいと思います(^-^)
○A型肝炎とは
A型肝炎ウイルスに感染したときにできる抗体です。
A型肝炎ウイルスに感染すると、まずIgM型HA抗体が現れます。
○この検査でわかること
A型肝炎ウイルスの感染の有無がわかります。IgM型が陽性の場合はその時点で感染していることが、IgG型が陽性の場合は過去に感染したことが、それぞれ判明します。
○検査結果の判定
この検査は、陰性か陽性かで判定します。
つまり、A型肝炎ウイルスに感染していなければ陰性、現在あるいは過去に感染の事実があれば陽性となります。
○ドクターズアドバイス
発展途上国へ行く場合は、A型肝炎ウイルスに感染するおそれがありますから、生ものや生水、氷などを口にしないように気をつけましょう。長期滞在の予定がある人は、HAワクチンを受けておきましょう。なお、A型肝炎ウイルスの潜伏期間は2~6週間です。
今回は、総蛋白・アルブミンを紹介したいと思います(^-^)
○総蛋白・アルブミンとは
血液中の蛋白は100種類以上もありますが、大半はアルブミンとグロブリンの2つのグループに属しています。総蛋白はその全体の濃度を意味します。また、A/Gはアルブミンとグロブリンの量の比率です。
○この検査でわかること
免疫グロブリン以外の血漿蛋白は肝臓でつくられるため、TP、A/Gの異常は肝機能の異常をある程度反映しますが、詳しいことはわからず、蛋白分画や関連検査を行うことによって実態に迫ります。
○要注意と危険な数値
アルブミンの境界域とは、高齢者の栄養状態を見る重要な指標です。
TPが高いと、良性M蛋白血症、多発性骨髄腫、こう源病、脱水などが考えられます。
○ドクターズアドバイス
蛋白分画は5分画あり、次のような疾患が考えられます。
①アルブミンが少ない場合は肝硬変、ネフローゼ症候群、
②α1グロブリンの増加は急性炎症
③α2グロブリンの増加はネフローゼ症候群
④γグロブリンの増加は肝硬変、慢性炎症、こう原病
今回はTTT・ZTTを紹介したいと思います(^-^)
○TTT・ZTTとは
TTTは「チモール混濁試験」、ZTTは「硫酸亜鉛混濁試験」の省略です。ともに、摂取した血清中に試薬を入れ、その濁り方から、たんぱく成分の割合を調べる検査です。
○この検査でわかること
TTTは、血清中にグロブリンが増加すると混濁度が高まり、アルブミンが増加すると混濁度が下がります。
また、ZTTは、血清中のγ-グロブリンが増加すると混濁度が高まります。
この変化のし方から、肝臓に起きている異常を探ります。
○基準値の範囲
混濁度は自動計測器で確認します。TTTの基準範囲の上限値は4マクラガン単位、ZTTの基準範囲の上限値は12クンケル単位です。
○要注意と危険な数値
数値の高さは、想定される疾患の違いを示すもので、危険度を示すものではありません。
○ドクターズアドバイス
TTTやZTTは、血清こう質反応検査とよばれるものの一種で、個々の血清成分やたんぱく分画を細かく測定することができなかった時代に開発された、古典的な検査方法です。正確さに欠けるため、現在もこれからが多用されている国は、先進国では日本以外にありません。
今回は、総・直接ビリルビンについて紹介したいと思います(^-^)
○総・直接ビリルビンとは
ビリルビンは胆汁色素の成分です。これは、肝臓で処理される前の間接ビリルビンと、処理された後の直接ビリルビンの2つに分類されており、両者を合わせて総ビリルビンと呼んでいます。
TBは「総ビリルビン」のDBは「直接ビリルビン」の省略です。
○この検査でわかること
肝機能に異常が生じると、血液中の数値が上昇します。TB値が上昇している場合は、それが主として直接・間接のどちらのビリルビンの上昇に由来するかをDB値を調べることによって確認し、診断の手掛かりとします。
直接ビリルビンの増加は肝細胞障害、肝内胆汁うっ帯、胆道閉塞の存在が考えられます。
○基準値の範囲
TB値は0.2~1.3mg/dL,DB値は0.0~0.3mg/dLが基準範囲です。検査施設によって多少異なります。
○ドクターズアドバイス
本来は十二指腸に流れていくはずの胆汁が肝臓の障害によって停滞し、その成分であるビリルビンが肝臓内で血液に逆戻りしてしまうと、総ビリルビンは上昇します。とくに、3.0mg/dL以上になると皮膚が黄色くなる「黄疸」が生じます。
大便の色はこのビリルビンのよって着色されます。
今回はコリエンスステラーゼ(ChE)を紹介したいと思います(*^_^*)
○コリンエステラーゼとは
肝臓で合成されるたんぱく質で、コリンエステルがコリンと有機リンに分解されるときに触媒の薬をはたしている酵素です。
○この検査でわかること
コリンエステラーゼは、肝臓で合成されて血液中に分泌されるたんぱく質なので、血液中のコリエステラーゼ値は、肝臓のたんぱく質合成能力、脂質代謝の亢進、栄養の状態を知る手掛かりになります。
○基準値の範囲
検査施設によって異なりますが、東京慈恵会医科大学付属病院が採用する方法では、200~450U/Lを基準範囲としています。
○要注意と危険な数値
基準範囲からはずれた場合は、高値・低値ともに肝機能の異常にかかわる疾患の存在を推測する根拠になります。
高値の場合は、脂肪肝がもっとも疑われます。一方、肝硬変など肝細胞の障害が重いほど、数値は低くなります。
コリンエステラーゼ値は個人差が大きいので、境界域という考え方を導入することはできません。
○ドクターズアドバイス
コリンエステラーゼ値は、基準範囲より低い場合にも異常が生じていることを表します。農薬などによる有機リン系薬物中毒や、毒ガスとして名を知られたサリンによる中毒でも、数値が異常に低くなります。
今回はアルカリフォスファターゼ(ALP)を紹介したいと思います(^-^)
○アルカリフォスファターゼとは
肝臓をはじめ、さまざまな臓器・組織に存在し、リン酸化合物の分解に関与しています。
○この検査でわかること
血液中の数値が異常に高い場合は、主として肝胆道系のほかに、骨疾患、甲状腺疾患の病気が考えられます。
アルカリフォスファターゼ(ALP)には、いくつものタイプがあり、どのアイソザイムが多くなっているかを調べると、疾患部位の推定に役立ちます。
○基準値の範囲
検査施設によって異なりますが、東京慈恵会医科大学付属病院が採用する方法では、96~300U/Lを基準範囲としています。
○要注意と危険な数値
基準範囲の上限の1.5倍未満までが要注意です。それを超えていれば危険領域と判断します。
要注意の範囲でも、数値上昇の理由を探ることは必要です。血液型がB型、O型の人、また小児や、妊娠、閉鎖後は、やや上昇します。
今回は血糖について紹介したいと思います(^◇^)
○血糖とは
「糖」はブドウ糖のことで、エネルギー源として血液によって全身に運ばれています。その血液中の濃度を血糖値といいます。
○この検査でわかること
測定された数値により、ブドウ糖が適切にエネルギー源として利用されているかどうかがわかります。この値が高い場合は、糖尿病をはじめとする内分泌疾患や代謝性疾患、膵臓にかかわる疾患などが疑われます。
○基準値の範囲
血糖の基準範囲は65~99mg/dLです。食後はだれでも血糖値が上昇しますが、正常な場合は160mg/dLを超えることはありません。
○要注意と危険な数値
空腹時血糖が100~125mg/dLは、糖尿病予備軍に相当する耐糖能異常です。
126mg/dL以上の場合は、糖尿病が疑われます。同時に行ったHbA1cが6.5%以上なら糖尿病と診断されます。
また、基準範囲より低い場合は、インスリン施術者において注射量が多すぎたり、膵臓β細胞腫などが疑われます。
○ドクターズアドバイス
糖尿病お客の平均死亡時年齢は男性68.0歳、女性71.6歳で、一般者の平均寿命に比べて、それぞれ9.6歳、13.0歳短命です。
2008年度から開始された特定健診では、予防の観点から、空腹時血糖値の基準範囲の上限は99mg/dLと低めに設定されています。
今回はLAPについて紹介したいと思います(^-^)
○LAPとは
「ロイシンアミンペプチダーゼ」の略称で、ロイシンです。肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、そのほかの臓器・組織に存在します。
○この検査でわかること
肝胆道系組織に障害があると血液中の数値が上昇しますから、それを調べれば、疾患の有無が分かります。
そのほかの組織に異常が起きても、その数値はほとんど上昇しません。また、施術中の経過観察などにも利用されています。
LAPには3つのタイプがあり、それを細かく調べれば、異常の内容推定に役立ちます。
○基準値の範囲
検査施設によって異なりますが、東京慈恵会医科大学付属病院が採用する方法では、35~80U/Lを基準範囲としています。
○ドクターズアドバイス
体の臓器はふつう、動脈によって栄養が運ばれますが、唯一、肝臓は門脈と呼ばれる静脈により栄養を受けています。門脈は主に消化管からの血液が集まってくる血管です。ですから食後少しの間は安静にし、肝臓の血液の流れをよくすることが大切です。
今回はLDHを紹介したいと思います(^-^)
○LDHとは
「乳酸脱水素酵素」のことで、全身の組織に存在し、ブドウ糖のエネルギー転換にかかわっています。
○この検査でわかること
各種臓器の疾患や細胞組織の障害があると、血液中の数値が上昇します。
LDHには5つのタイプがあり、それぞれ異なった臓器・組織に偏在しているので、LDHアイザイム測定によってどこに障害が発生しているかの推定も可能です。
○基準値の範囲
検査施設によって異なりますが、東京慈恵会医科大学付属病院が採用する方法では、130~235U/Lを基準範囲としています。
○要注意と危険な数値
基準範囲の上限超から上限の1.5倍未満までが要注意、それを超えていれば、危険領域に入っていると、おおよその判断をします。なお激しい運動をした後の数日間は、一時的に上昇します。
○関連検査・精密検査
LDHアイソザイムの測定、および当初の診察結果などにより、障害が発生している臓器を推定し、それに緒応じて確定診断のための各種検査が行われます。
今回はγ-GTPについて紹介をしたいと思います(^v^)
○γ-GTPとは
「γ-グルタミルトランスぺプチーゼ」の省略で、たんぱく質分解酵素の一種です。腎臓にもっとも多く分布するほか、膵臓、肝臓にも多く、そのほかの腎臓や血清中の数値が上昇します。
γ-GTPがもっとも多く存在しているのは腎臓ですが、腎機能に障害が起きても、ほとんど上昇しません。
○この検査でわかること
肝臓や胆道に障害があると、血清中の数値が上昇するほか、飲酒で肝臓の細胞に障害が起きても、ほとんど上昇しません。
○基準値の範囲
基準範囲の上限値は、男女とも50U/Lです。女性ホルモンの影響により、一般的に男性に比べて女性は数値の低い人が多いようです。また、飲酒によってγ-GTPが上昇しない場合でも、MCV値の上昇が見られることがあります。
飲酒しない人の場合は、肥満や脂肪肝によって上昇します。
○要注意と危険な数値
男性で100U/L以上、女性で50U/L以上あると危険域にあるといえます。