今回は尿素窒素について紹介したいと思います(^◇^)
○尿素窒素とは
体内でつかわれたたんぱく質の老廃物が尿素窒素です。肝臓から排出されて、腎臓を経て尿とともに排泄されます。
○この検査でわかること
腎臓に障害が起こると血液中のBUN濃度が上昇します。これは、腎機能低下により尿中へ排泄量が少なくなってしまうためです。ただし、BUNは、高たんぱく食や脱水など、ほかの原因でも上下しやすいので、クレアチニンの値と比較しながら診断することがしばしばあります。
○基準値の範囲
基準範囲は8~20mg/dLまでが要注意範囲です。
食事や生理的なことでも変動しますが、そうした要因がなさそうなら、再検査やそのほかの関連検査を実施し、原因を把握します。数値がそれをさらに上回る、あるいは基準範囲を下回っていたら、いろいろな疾患の存在を考えます。
○ドクターズアドバイス
尿素窒素の数値は、クレアチンとともに、腎機能を反映します。ただし、尿素窒素は、食事からのたんぱく質摂取量や下痢、嘔吐、発熱、ハードな運動などの影響を受けて高くなることがあります。クレアチンはそのような影響は受けて高くなることがあります。クレアチニンはそのような影響は受けません。
今回は赤沈(血沈)について紹介したいと思います(^◇^)
○赤沈とは
「赤血球沈降速度」の略で、血沈とも呼ばれます・検査は、採取した血液に抗凝固剤を混ぜてガラス管に入れ、1時間後に赤血球が何mm沈んだかを計ります。
○この検査でわかること
赤沈は、赤血球数と血漿中に含まれるたんぱくの成分によって、速くなります。検査結果からは、主に炎症をともなう病気の有無や程度がわかります。ただ、赤沈は基本的なスクリーニング検査であり、体のどの部分に異常があるのかはわかりません。
○基準値の範囲
男性は2~10mm/時、女性は3~19mm/時が基準範囲です。妊娠中の女性や高齢者は高くなります。
○要注意と危険な数値
CRP検査と組み合わせて評価します。
○ドクターズアドバイス
赤沈の異常は、さまざまな病気が原因で起こります。数値が高く関連検査を受けても原因が不明のときは、全身のチェックを受ける必要があります。
また、赤沈は病気の重症度にも比例するため、施術効果の判定にも用いられます。
今回は血小板について紹介したいと思います(*^_^*)
○血小板とは
血小板は、血管が損傷して出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。検査は血液を採取して、1μL中あたりの血小板数を測定します。
○この検査でわかること
血小板による止血能力とともに、出血傾向があるときに原因を判別する目安になります。
○基準値の範囲
基準範囲は150~329です。
要注意と危険な数値
高値の場合は、血小板血症や鉄欠乏性貧血、炎症性の病気などが疑われ、検査で原因を特定する必要があります。
低値の場合は、骨髄での産生の低下、体の組織での破壊の亢進、脾臓でのプーリングが考えられます。とくに40未満になると鼻血や歯ぐきからの出血が止まりにくくなります。
○精密検査が必要な場合
血小板の減少が、赤血球数や白血球数の異常をともなうかどうかで、検査方針が異なります。また、血小板数が正常でも、機能低下から出血しやすくなることもあります。
○ドクターズアドバイス
出血傾向がないのに、検査で血小板減少という結果がでた場合、「EDTA依存性偽性血小板減少症」が疑われます。採血管に含まれているEDTAという抗凝固剤の影響で起こるもので、実際の血小板は正常です。疑われた場合は別の抗凝固剤を用いた方法で再検査します。
今回は出血時間について紹介したいと思います(^◇^)
○出血時間とは
皮膚から出血したとき、自然に止血するまでの時間を「出血時間」といいます。
検査では、耳たぶに針で小さな傷をつけて出血させ、30秒おきに吸い取り紙をあてて、血が完全に止まるまでの時間を測定します。
紙で取った出血が直径1mm以下になれば、止血したと判断します。
○この検査でわかること
血管凝固にかかわる血小板の機能や、出血に関係する毛細血管が弱くないかどうかなどがわかります。
血液の一般検査として、また、手術前の検査としても行うことがあります。
○要注意と危険な数値
基準範囲の上限値を超えても、つまり5分を超えても出血が止まらなければ、血小板減少症・血小板機能異常・DICの病気が疑われます。ただし、診断は関連検査によって総合的に確定します。
○精密検査が必要な場合
基準範囲をはずれた場合は、血小板の異常なのか、あるいは毛細血管壁の異常によるものなのかを調べる必要があります。
○ドクターズアドバイス
消炎解熱鎮痛薬のアスピリンやインドメタシンなどを服用していると、血小板機能低下により、出血時間が長くなることがあります。
検査を受ける前にこのような成分を含む薬を内服して異常値が出た場合には、1週間程度、服薬を中止して、再検査を受けましょう。
今回はPT・APTTについて紹介したいと思います(^-^)
○PT・APTTとは
血液の凝固には、内因系と外因系のあわせて12の凝固因子がかかわっています。
PT(プロトロンビン時間)は、外因系の因子の異常を調べる検査です。
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は内因系に関する因子の異常を調べる検査です。両者は組み合わせて行なわれます。
○この検査でわかること
血液の凝固能力がわかります。主に手術前に、血液が止まりにくいかどうかを知るために検査をします。また、PTのみ異常、APTTのみ異常、両方とも異常、のいずれであるかによって、どの凝固因子が欠乏しているかがわかります。
○基準値の範囲
PTは時間または活性を%で表わし、基準範囲の下限値は70%です。APTTは時間で表わし、28.0~39.0秒が基準範囲です。
○要注意と危険な数値
基準範囲をはずれた場合は、凝固因子欠乏・球性肝炎・肝硬変・ビタミン欠乏症
○ドクターズアドバイス
抗凝固薬ワルファリン使用者ではプロトロンボ比を国際的に標準化した指標であるPT-INRを2~3に、また心臓人工弁挿入者では2.5~3.5になるように薬量を調整します。
今回はトロンボテスト(TT)について紹介したいと思います(^◇^)
○トロンボテスト(TT)とは
肝臓で産生されるビタミンKが関係する、凝固因子の活性を測定する検査です。ワルファリンなどの経口抗凝固薬はビタミンK拮抗作用があるので、この薬を服用している人では、施術効果を見るために行います。
○この検査でわかること
服用しているワルファリンの量が適切であるかどうかがわかります。
○基準値の範囲
60%が基準範囲の下限値です。
○要注意と危険な数値
ワルファリンの作用を十分に発揮させるために、トロンボテストの数値が10~20%超では使用量不足といえます。
ワルファリンの使用量は、トロンボテストのほかに、プロトロンビン時間活性やプロトンビン時間比率から算出されるINR値「ドクターズアドバイス」などによっても決定されることがあります。
○精密検査が必要な場合
ワルファリンを使用しないのにトロンボテストの数値が低い場合は、ビタミンK欠乏症や、重症下痢、肝硬変、抗菌薬の長期服用、先天的な凝固因子の欠乏が考えられます。それらが疑われるときは精密検査が必要です。
○ドクターズアドバイス
ワルファリンは、深部静脈血栓症、急性心筋梗塞、肺血栓塞栓症などの血栓疾患、人工弁をつけている人などに使用されます。
ワルファリンを服用しているときは、ビタミンKを多く含むクロレラ、青汁、納豆など控える必要があります。
今回はヘパプラスチンテストを紹介したいと思います(^◇^)
○ヘパプラスチンテストとは
肝臓で産生される凝固因子の状態を見る血液検査です。出血傾向があるときや、肝臓機能の低下があるときに行われます。
○この検査でわかること
肝機能の状態がわかります。
○基準値の範囲
基準範囲の下限値は70%です。
○要注意と危険な数値
基準範囲の下限より低い場合は、抗凝固薬ワルファリンを使用している人なら肝臓障害やビタミンK欠乏症は吸収不良症候群などの腸疾患や、閉塞性黄疸などでも起こります。
ビタミンK欠乏症の場合、類似のトロンボテストも異常を示しますが、ヘパプラスチンテストのほうが、精度の高い結果を得られます。
○精密検査が必要な場合
肝臓障害としては、肝炎、肝硬変、肝がんなどがあるため、どのような状態なのかを検査します。
肝硬変は食堂静脈瘤を併発しやすくなります。これが破れると、凝固機能低下と相まって食堂から大量の出血(吐血)が起こります。したがって食堂の検査も必要になります。
○ドクターズアドバイス
基礎疾患があってその経過中に、なんらかの因子が引き金となって細小血管内に微小血栓が多発するDICという病気があります。血栓を形成する際に血小板や凝固因子が失われるため、全身に出血が起きるという相反する事態が出現し、施術を難しくさせます。
今回は鉄欠乏性貧血を紹介したいと思います(^v^)
○食生活に気を配り、鉄を含む食品を積極的に
鉄欠乏性貧血は、胃切除後や、子宮筋腫などでも起きますが、偏食や過激なダイエット、粗食による栄養不良なども原因となります。
○レバーや肉、魚から吸収のよいヘム鉄をとる
食品中の鉄には、肉や魚など動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜や海藻などに含まれる非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は15~25%が吸収されますが、非ヘム鉄の吸収率は2~5%程度です。鉄を十分補うには、植物性食品だけに頼らず動物性食品を中心にしましょう。
成人の鉄所要量は1日あたり男性で10mg、女性で10~12mgですが、鉄欠乏性貧血と診断された場合は、それ以上の摂取が必要です。
○食べ合わせで鉄の吸収を高める
体内での鉄の吸収は、組み合わせた食品の栄養素によって変わります。一度にたくさん食べられない人や苦手な食品がある人は、食べ合わせで鉄を効率よくとりましょう。
●ビタミンCが鉄の吸収を助ける
レバーの唐揚げにレモン果汁をかけたり、魚料理には大根料理を添える。
●たんぱく質と組み合わせる
非ヘム鉄を含む緑黄色野菜や海藻には、肉類や魚介を組み合わせる。
なお、血色素が基準下限値よりも低い場合は食事療法で改善するのは不可能なので、サプリメントの鉄、あるいは医療用の鉄剤内服施術が必要になります。
今回はコレステロールと中性脂肪の働きについて紹介したいと思います(^-^)
コレステロールと中性脂肪は、ともに脂肪成分で、健康の大敵のように思われていますが、本来、私たちの体に欠かせない物質です。
○コレステロールは重要な役割を果たしている
コレステロールは、私たちの体を構成する細胞の膜の成分として欠かせないものです。また、副腎皮質ホルモンや性ホルモンの合成にかかわったり、脂肪分解酵素である胆汁酸の原料になるなど、コレステロールはきわめて重要で多彩な役割を果たしています。
コレステロールは、主として肝臓でつくられているほか、食品からも1日に300~500mg程度を摂取しています。体の中には100~150gほどのコレステロールが存在し、そのうちの約10%が血液中を流れています。
○中性脂肪は貯蔵用のエネルギー源
私たちは、食品から糖質や脂肪を摂取して、それをエネルギー源として活動しています。
食べ過ぎや少ない身体活動などが原因で消費されなかった余分な糖質は、肝臓で代謝されて中性脂肪となり、最終的に肝臓や脂肪細胞に貯蔵されることになります。とくに、腸の周りにたまる脂肪は内蔵脂肪と呼ばれ、ウエスト径を大きくさせます。
中性脂肪のうち、皮下の脂肪細胞に貯蔵されているものを「皮下脂肪」と呼んでいます。
皮下脂肪は、断熱材の役割も果たしています。
○脂質の運搬役「リポたんぱく」とは?
コレステロールも中性脂肪も、血液中に入って全身に運ばれますが、油の仲間ですから、そのままでは水に溶けません。そこで、親水性のリン脂質やたんぱく質の一種であるアポたんぱくに包まれて、血液に溶け込みます。これを「リポたんぱく」といいます。
リポたんぱくは、その大きさや比重によっていくつかの種類に分けられ、それぞれ性格も異なっています。
リポたんぱくのうち、LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」、HDLコレステロールは「悪玉コレステロール」といわれています。LDLが血液中に増えすぎると血管に障害を起こすので「悪玉」HDLは増えすぎたLDLを回収するので「悪玉」というわけです。
今回は脂質異常症について紹介したいと思います(^v^)
血液中に含まれる脂肪が基準範囲をはずれている場合を脂質異常症といいます。
○脂質異常症にはいくつもの種類がある
血液中に含まれる脂質は、コレステロールと中性脂肪、遊離脂肪酸、りん脂質に分類されます。また、それを運搬するリポたんぱくにもいくつかのタイプがあります。それらの血液中の脂肪やリポたんぱくの量が多い状態を、「脂肪異常症」と総称しています。
脂質異常症のうち、コレステロールの量が多いケースが「高コレステロール血症」、中性脂肪の量が多いケースが「高中性脂肪血症」です。
また、高コレステロール血症のうち、「悪玉」とされるLDLが特徴的に多い場合は「高LDLコレステロール血症」と呼ぶこともあります。
ひと口に脂質異常症といってもいろいろなタイプがあります。
○低脂値でも状況に応じた対策が必要
血液中の脂質の異常といえば、多くの人が脂質異常症を思い浮かべるのですが、LDLコレステロールや中性脂肪の量が少ない場合にも、その発症の原因を確認し、必要に応じた対策を講じることが大切です。健康や生命活動を維持するためには、コレステロールも中性脂肪も、一定量が必要だからです。
これらの原因には、遺伝性のものの少なくありませんが、肝臓や甲状腺疾患などの異常が隠れているケースもあります。また、栄養不良や極端な偏食など、生活習慣上の問題が原因であるケースもあります。
原因になる疾患があって発症した場合は、まずそれを施術、堤正しなければ、根本的な施術をすることはできません。
「善玉」とされるHDLコレステロールが少ない場合は「低HDLコレステロール血症」といいます。
HDLコレステロールは、血管にたまったコレステロールを運び去る働きをしてくれます。さらに、HDLコレステロールが少ないと中性脂肪が増えることも多く、動脈硬化が進みます。最近は、non-HDLコレステロール、すなわち善玉コレステロールを除いた脂質分の体への悪影響が注目されています。